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54. ビューティフル・マインド -エッセイ

「ビューティフル・マインド」

「ビューティフル・マインド」という映画を観たことがありますか?2002年公開の、統合失調症を持つ、ノーベル賞を受賞した数学者の話です。数学の研究に没頭する中で、精神に異常をきたしていく夫と、それを支える献身的な奥さんとの愛の物語として語られています。
第二次大戦後、ソ連との冷戦下にあるアメリカ。ナッシュはプリンストン大学大学院の数学科に入学します。マサチューセッツ工科大学のウィーラー研究所に入ることを目指し、講義にも出席せず研究に没頭する日々。人付き合いが下手で、友人もろくにいない彼は、クラスメートから変人扱いされるようになります。ですが、ルームメートのチャールズとの友情に支えられ、晴れて研究所に入ります。しかしその頃、国防省の諜報員パーチャーから、雑誌に隠されたソ連の暗号解読を依頼されます。同じ頃、受講生のアリシアと結婚しますが、秘密の任務は続いていました。夫の様子の変化に気づいたアリシアは、夜、封筒を手に出かける夫をつけていきます。すると廃屋のさびた郵便受けには、今までナッシュが“国防省宛”に出した、“解読した暗号”がぎっしりと詰まっていたのです。上司によって、彼は精神病院に強制入院させられてしまいます。医師はアリシアに、ナッシュは幻覚の出る精神の病だと告げ、アリシアは暖かく支えます。一時は薬を飲み、退院して落ち着いた日々を過ごしますが、その後ひそかに服薬をやめてしまいます。ナッシュの前に再びパーチャーが現れ、“暗号解読”と称する切抜きが始まります…。
「怖い…!」というのが私の率直な感想です。
親友だと思っていた人が実は幻覚だったり、諜報員からの依頼で解読している暗号が、ただの雑誌の切抜きだったり…。
しかし、本人は本気なのです。「彼は確かに僕の友人だ!見ろ!あそこにいるじゃないか!」。でも実際にはそこに誰もいません。「僕は国防省の指示でこの暗号を読まなくちゃいけないんだ!」。でも彼の言う“暗号”は雑誌の切抜き。
私はこの映画を見た後、やにわに怖くなりました。今まで生きてきて、至極当然だと思っていることは、本当にそうだろうか。周りのみんなが自分に合わせて振舞ってくれているだけなのでは?自分という者も、本当はいないのでは…?
五感は電気信号が中枢神経に入力される結果としての知覚だとされています。今自分(にあるもの)は中枢神経だけで、その中枢の然るべき部位に然るべき電気信号が入力され、あたかも「見ている」「触っている」という“感覚があるだけ”なのかも知れないとふと思ったとき、怖くなりました。そして、「人として生きている状態」も「人として死んでいる状態」も、一体何を指して言うのか、よく分からなくなってしまいました。
自分の正しいと思っていたもの、信じていたものが実は全て空虚なものだと言われた時、どうしますか…?
見たり聞いたり触ったりしているものが、実際に目の前に“存在する”と、本当に言い切れますか…?

  1. 2011/04/04(月) 10:25:46|
  2. エッセイ

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